FBG方式の原理:FBGセンサーについて

1.FBGとは

   FBGは、シングルモード光ファイバー(SMF)のコアに一定のピッチで周期的な屈折率分布を 持たせた構造であり、波長選択素子やセンサーとして一般的に用いられています。 屈折率差は10-4程度であり、通常、水素処理したSMFにエキシマレーザーの回折光を照射することにより形成されます。

2.FBGに入射する光の挙動

(画像をクリックしてご覧下さい) FBGに入射する光の挙動
   FBG-ISの光源からの広帯域光がFBGに入射すると、次式で表わされるBragg条件を 満足する波長の光のみが反射され、それ以外の光は透過ます。

λB = 2 n d    (1)

ここで、

λB : Bragg 波長

n : 伝播モードの屈折率

d : Bragg Grating の間隔

3.波長シフトが発生するメカニズム

   機械的ひずみと温度変化は、共に屈折率とFBG間隔の変化を引き起こすため、(1)式で表される反射波長(Bragg波長)は機械的ひずみと温度変化によりシフトすることがわかります。 機械的ひずみと温度変化における屈折率と間隔の波長シフトへの寄与率は概ね下記の通りです。

4.機械的ひずみと波長シフトの関係

   機械的ひずみと波長シフトの関係は次式で表わされます。

ΔλB ⁄ ε = λB GF

ここで、

ΔλB : Bragg 波長のシフト量

ε : 機械的ひずみ

GF : 比例定数(Corning製SMF128ではGF = 0.78)

したがって、光ファイバーとしてSMF28を使用した場合、λB = 1550nmのFBGからの反射光の波長シフト量は1.21pm/μstrainとなります(μstrain=μm/m)。

5.温度変化と波長シフトの関係

   温度変化と波長シフトの関係は次式で表わされます。

ΔλB ⁄ ΔT = λB TC

ここで、

ΔT : 温度変化

TC : 比例定数(SMF128ではTC = 6.8 x 10-6/K)

したがって、光ファイバーとしてSMF28を使用した場合、λB = 1550nmのFBGからの反射光の波長シフト量は10.5pm/Kとなります。

6.センサーの寿命予測

   FBGセンサーの構造としては以下の2種類の方式があります。 FBGを接着剤等に埋め込む方式(タイプB)は、接着剤の硬化・収縮に伴う反射スペクトルのひずみや波長シフトが発生するため、接着剤の選定やFBG計測器(FBG-IS)の選定を慎重に行う必要があります。 また、測定対象物のヤング率(縦弾性係数)と、FBGおよび接着剤のヤング率も考慮する必要があります。
一方、FBGの両端を固定する方式(タイプA)では、上記の問題は発生しませんが、圧縮ひずみを測定する場合には、あらかじめFBGに相当する引張りひずみ(pre-strain)を与えておく必要があります。 このためセンサーの寿命を予測しておく必要があります。

センサーの寿命予測(画像をクリックしてご覧下さい)

センサーの寿命予測    光ファイバー材料であるガラス等脆性材料の寿命は、引張りひずみによるクラック成長速度により決まりますが、 このクラック成長速度はワイブル分布により予測することが可能です。
   この図は、一定ひずみをT秒間与えた場合のFBGセンサーの寿命(破断確率1.0e-6)をワイブル分布により予測したチャートです。 通常の鉄筋コンクリート用のひずみ測定であれば、クラックが発生する圧縮歪0.2%(即ち2,000με)程度まで測定できるようにしますので、 2,000μεのpre-strainを与えます。 したがって、10,000μεの試験ひずみをT秒間与える試験を実施しておけば、100年間に渡る使用期間におけるFBGセンサーの破断確率は統計的に百万分の1と、 かなり低く抑えることができます(チャートの赤線)。
   もちろん、大きなひずみを与える試験を行えば、統計的にさらに破断確率を低下することは可能です。 しかし、大きなひずみを与える試験により、ガラスに発生したクラックはさらに進行しますので、あまり大きなひずみを与える試験方法は、 必ずしも好ましいとは言えないでしょう。

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